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    【MCO第92回定期演奏会】 四半世紀の道のり、その先へ

    水戸芸術館は、2015年に開館25周年を迎えます。吉田秀和初代館長、そして一昨年から就任した小澤征爾館長の下、芸術活動の紹介や支援を通して、世に貢献すべく、走り続けてきたこれまでの歳月は、その渦中にいる身からすれば、あっという間のような気がしますが、あらためて振り返ってみると、やはり四半世紀という時間の長さを感じてしまいます。これまでご支援くださった皆様への感謝とともに、開館25周年記念を飾る最初の公演として開催するのが、水戸室内管弦楽団(MCO)第92回定期演奏会です。プログラムの第1部では、MCOメンバーでわが国を代表するフルート奏者の工藤重典がソリストとして登場します。そして、第2部では小澤征爾館長が指揮を務めます。

    MCOの華やかな新メンバーたち

    MCOは水戸芸術館開館の年に創設されたオーケストラなので、同じく25周年を迎えます。ソリストやオーケストラの首席奏者として活躍する音楽家たちから構成されているMCOですが、近年、新しいメンバーの加入が続いております。このメンバーの変遷こそ、25年の時の移ろいを物語るものとなっています。最近3年間に入団したメンバーは、宮田大(チェロ、第1回ロストロポーヴィチ国際チェロコンクール優勝)、フィリップ・トーンドゥル(オーボエ、シュトゥットガルト放送交響楽団首席奏者)、猶井正幸(桐朋音楽大学教授)、ローランド・アルトマン(ティンパニ、元ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ソロ・ティンパニ奏者)、島田真千子(ヴァイオリン、パガニーニ国際ヴァイオリンコンクール他入賞 ※1/24プロムナード・コンサートEXTRAに出演!)、佐份利恭子(ヴァイオリン、マリア・カナルス国際音楽コンクール他入賞)、リカルド・モラレス(クラリネット、フィラデルフィア管弦楽団首席奏者)という、小澤征爾館長が高く評価する、腕もキャリアも華々しい演奏家たちです。

    古典派の様式美をそなえた3作品

    さて、今回の演奏会のプログラムをご紹介しましょう。指揮者なしで演奏される第1部では、ラヴェルの〈クープランの墓〉とモーツァルトの〈フルート協奏曲 第1番〉K.313(285c)の2曲が取り上げられます。ラヴェル(1875-1937)は、ロマン派を代表する作曲家のひとりで、複雑な和声を用いて、音楽の響きをより豊かにしようとしました。しかし、その後は、秩序立った古典主義的な輪郭のはっきりした旋律を大事にし、曲の構造も簡潔で明瞭なものを求めるようになっていきました。そうした古典音楽への志向の集大成と言われているのが、〈クープランの墓〉です。18世紀のフランスの大作曲家クープランをはじめとするフランス古典音楽に敬意を表して、1917年にまずピアノ曲として作曲され、1919年に管弦楽編曲が行われました。管弦楽版は、〈前奏曲〉〈フォルラーヌ〉〈メヌエット〉〈リゴドン〉の4曲から成り、各曲とも第一次世界大戦で亡くなったラヴェルの友人たちに捧げられています。

    モーツァルト(1756-1791)の〈フルート協奏曲 第1番〉は、オランダの音楽愛好家フェルディナント・ド・シャンの「フルートのためのちょっとした短くて軽い協奏曲を3曲と四重奏曲を2、3曲」という注文を受けて作曲された作品のひとつです。モーツァルトのフルート協奏曲は2曲書かれましたが、オリジナル作品は第1番だけで、第2番はすでに完成していたオーボエ協奏曲からの編曲作品でした。第1番は、「ちょっとした軽くて短い協奏曲」どころではなく、フルートの音域の全てが駆使され、旋律も伸びやかな音型が用いられており、フルートならではの特質が大いに生かされた、古典派協奏曲の不朽の名作です。MCOが誇るフルート奏者、工藤重典のソロでお楽しみください。

    そして、第2部は、小澤征爾館長の指揮で、ベートーヴェン(1770-1827)の〈交響曲 第8番〉作品93が演奏されます。ベートーヴェンの9曲の交響曲の中では規模は小さめで、演奏される頻度も比較的少ない曲かもしれません。しかし、ヴァーグナーが「舞踏の聖化」と呼び、多様なリズムによる爆発的な推進力をもつ〈交響曲 第7番〉と人類の平和と喜びを歌い上げたあの〈第9番〉との間に位置する〈第8番〉なのですから、偉大な作品で無かろうはずがありません! 〈第8番〉は、ベートーヴェン的な激しさは影を潜め、大げさな身振りもなく、全体が簡素でありながら緻密な構成をもち、軽妙洒脱な味わいを醸し出しています。

    これらのラヴェル、モーツァルト、ベートーヴェンの3作品は、いずれも端正な古典派の様式美をそなえ、自由で伸びやかな音楽が息づいているという点で、共通しています。巨匠たちが未来に残した、澄み渡る青空のような作品を、どうぞお楽しみください。

    《中村》(『vivo』2015年1月号より)
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