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    MCO新楽団員を訪ねて⑥ 佐份利恭子さん(ヴァイオリン)インタビュー

    新年あけましておめでとうございます!

    さて、水戸室内管弦楽団第92回定期演奏会(指揮:小澤征爾総監督)もいよいよ来週末ですね♪
    ということで、2015年最初の記事では、水戸室内管弦楽団(MCO)に加わった新しい楽団員をご紹介するインタビューシリーズ「新楽団員を訪ねて」を掲載したいと思います。

    今回は、1993年以来MCOの数多くのステージに出演され、昨年10月からは新しく楽団員として加わってくださっているヴァイオリニスト、佐份利恭子さんをご紹介します。

    ヴァイオリンを始めたきっかけ、音楽家として大切にされていること、演奏以外で興味を持っていること、今後の活動予定などについて、お話を伺いました。ぜひお読みください♪
    (インタビューの短縮版は、来週末、1月16日(土)、18日(日)に開催する水戸室内管弦楽団第92回定期演奏会プログラムにも掲載いたします。)

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    Kyoko Saburi (photo: Michiharu Okubo)


    ――新しく楽団員としてお迎えでき、嬉しく存じます。佐份利さんは1993年からMCOに参加されていますが、今のお気持ちからお聞かせいただけますか?

    私はずっとエキストラとして参加していたので、今回メンバーとして声をかけていただき、本当に光栄です。良い意味でびっくりしています。ありがとうございます。

    ――MCOにはどのような印象をお持ちですか?

    私はまずサイトウ・キネン・オーケストラで、ここにいらしている演奏家の皆さんと知り合いました。また母が桐朋学園の一期生だったので、小澤征爾さんも堀伝さんも志賀佳子さんも、とても前から存じ上げています。そういう意味で、親しみやすさが他のオーケストラと全然違いますし、皆さんが20年以上厳しく活動されている姿を見て素晴らしいなと思っています。

    ――MCOには長年ご参加くださっていますが、その間のオーケストラの変化についてどのようにお感じですか?

    変わらない部分ももちろんありますよね。20年以上前から、いつもこのホールで練習できるという環境が変わらないのが素晴らしいと思います。もちろんその一方で、館長が吉田秀和先生から小澤征爾さんに変わられたという変化もあります。でも、オーケストラの活動が本当に充実しているところは変わらないなという印象です。

    ――どのようなきっかけでヴァイオリンを始められたのですか?

    母が桐朋学園の一期生でピアノ科だったのですが、母が学生だった頃、当時の桐朋にあった斎藤秀雄先生のオーケストラを見ていて「子どもが生まれたら弦楽器を弾かせたい」と思っていたようです。3歳からピアノ、5歳からヴァイオリンを始めました。

    ――子どもの頃からずっとヴァイオリニストを目指していらっしゃったのですか?

    そんなに一直線でもありません(笑)。自分はけっこう欲張りなので、いろんなことを体験したいという興味があって…。今でもそういう性格が音楽活動にも表れているかなと思っていて、ありがたいことにいろんな活動をさせていただいています。

    ――桐朋学園大学卒業後、ケルン国立音楽大学とウィーン市立音楽院に留学されたそうですね。

    まずドイツに給費留学させていただき、その後ご縁があって、ウィーンに移りました。日本では情報が多く入ってくるので、学生時代はそれに惑わされていたことが多かったのですが、留学をへてからは、様々な面で自分の感じる事に自信が持てるようになりました。またドイツとウィーンでは言葉のアクセントが違いますが、言葉が違うと音楽性がどれくらい違うかということを若い時に見られたのも良い経験でした。今日本で演奏会を聴くと、その人の個性はもちろんバックグラウンドや出身国、言語といったことを、演奏から感じとれるようになりました。ウィーンはやはり文化が交わる場所で、当時もいろんな国の方が演奏会をしていました。私が師事したのはロシア人の先生でしたが、東欧の方などもいらっしゃっていました。言葉のニュアンスやその土地の空気を感じられた当時のことが、今はとても懐かしく、またそれが今の演奏活動にもつながっています。

    ――留学先ではダヴィッド・オイストラフの弟子のアレキサンダー・アレンコフ氏に師事されたそうですね。

    少しハインツ・ホリガーさんに似ているところがある方なのですが(※)、食べることも忘れるくらい、本当にずっと音楽や生徒のことを考えて教えてくださるひたむきな方でした。ただ私は自分で納得しないと身につかないタイプなのでぶつかったこともありますが、それもいい経験かなと思います。日本人はどうしても、他の人と意見が違うというのが前提にないので、音楽でも「違う」ということが喧嘩につながることが時々あります。でもそうではなくて、個性が違うということなんですよね。
    ※インタビュー時、第91回定期演奏会に向けてホリガー氏の熱心なリハーサルが行われていました。
    ――演奏家としては今色々な活動をされていますが、その中でどのようなことを大切にされていますか?

    ブレずに自分の物差しを持っていたいというのが理想なので、どんな活動をしていても、「誰か」ではなく「自分」が感じることを大事にしたいと思っています。またここ数年はカルテットを一緒に弾く仲間がいて、自分たちで全部プログラムを考えて演奏できる機会があります。カルテットには作曲家が力を入れて書いた良い曲がたくさん集まっているので、オペラと同様に、なるべく沢山の作品に触れていきたいです。

    ――今後の活動予定を教えていただけますか?

    自分の節目として、本当に好きな曲や弾きたい曲などを集めて小品のCDを作る予定です。この夏には完成していると思います。チェコのオンドリチェックという作曲家の、楽譜が手に入りにくい作品もありますし、ブーランジェ、プーランクやクライスラー、ストラヴィンスキーの作品もあり、珍しい選曲になりそうです。

    ――音楽以外ではどんなことにご興味をお持ちですか?

    おいしいものの食べ歩きが好きですね。家でも料理をよくします。あと家に猫がいるので猫と遊ぶこと。最近は身体のメンテナンスのためにクラシックバレエを習い始めました。
    あとお酒も好きで、地方に行けば、観光名所を見るよりもまずおいしいものを食べ、おいしいお酒を飲みに行きます。旅は移動が多くて大変ですが、そういう楽しみもあって、皆さんとそういう機会を持てるのが大好きです。

    ――最後にMCOメンバーとしての抱負をお聞かせいただけますか?

    これまでメンバーの方の意識の高さを見てきたので、自分もそれに恥じないよう、音楽に対して真摯になりたいと思っています。あとは楽しみたいということですね。もちろん厳しい部分もありますが、皆さんと音楽の喜びを分かち合えるようになりたいと思っています。                    

    2014年10月2日
    聞き手:高巣真樹(水戸芸術館音楽部門)

    佐份利恭子(さぶりきょうこ)プロフィール
    5歳からヴァイオリンを始める。桐朋女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部に入学、江藤俊哉に師事。第55会日本音楽コンクール第2位、黒柳賞を受賞。同大学を首席で卒業、卒業生を代表して宮中桃華楽堂にて御前演奏を行う。DAAD(ドイツ学術交流会)給費留学生としてドイツ・ケルン国立音楽大学に、その後ウィーン市立音楽院に留学、アレキサンダー・アレンコフに師事。シエナのキジアナ音楽院にて室内楽をリッカルド・ブレンゴラに師事。マリア・カナルス国際音楽コンクール第3位。
    帰国後は各地で様々なコンサートに出演、ソリストとして、またコンサートミストレスとして全国の様々なオーケストラと共演する。JT室内楽シリーズ等に出演のほか、宮崎国際音楽祭、サイトウ・キネン・オーケストラにも毎年出演。国際交流基金によりインド・マレーシア・タイにて室内楽を演奏。青山音楽賞を授賞。
    コローレ・カルテットのメンバー。武蔵野音楽大学非常勤講師。

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