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    【ATM便り】 2014年11月3日号

    11月3日付茨城新聞にATM便りが掲載されました。今回は、河村尚子ショパン・プロジェクト第1回「バラードとノクターンを中心に」にちなんで、ショパンについて書きました。

    河村尚子 ©Hirofumi Isaka
    河村尚子
    ©Hirofumi Isaka
     「諸君、帽子を取りたまえ!天才だ」。ヨーロッパの楽壇に彗星の如く現れたポーランド出身の作曲家ショパン(1810~1849)について、同じロマン派の作曲家シューマンはこのように評し、世に知らしめました。その驚きと称賛は、私たちの生きる現代まで続いています。「河村尚子 ショパン・プロジェクト」(全4回)を通じ、ショパンの魅力の秘密に少しでも迫ることが出来たら、と願っています。

     河村尚子さんは“現代最高のショパン弾きの一人”とも評されるピアニストです。その理由は何でしょうか。私は、河村さんが紡ぎ出す「歌」にあるのではないかと思っています。

     ショパンは、ほとんどピアノ曲しか書かなかった作曲家として知られています。しかし、彼が心から憧れていたのは、実はオペラの世界でした。ワルシャワを離れ、ウィーン、パリと旅する中で、ベッリーニやドニゼッティのイタリア・オペラ、ボワエルデューやマイアベーアのフランス・オペラを聴いて魅了されます。そして、あの甘く切ないアリアの歌い回し、人間の声だけが持つ無限のニュアンスを、自身ピアノの名手であったショパンは、何とかして自らの楽器で表現しようとしました。(技術的なことについては、片山杜秀著『クラシックの核心』に詳しく記されています。)

     プロジェクト第1回は「バラードとノクターンを中心に」というタイトルでお届けします。まさにバラードとノクターンこそ、ショパンがピアノで「歌」を歌おうとしたジャンルであり、その試みが美しい結晶となって残された作品群であると言えるでしょう。秘められた愛のささやきが、やがてドラマティックな歌へと登りつめる〈バラード第1番〉、左手の伴奏に乗り、右手が鍵盤の上で舞うように、ロマンティックな夢と憧れを綴る〈ノクターン 変イ長調 作品32の2〉など、溢れんばかりの「歌」が閉じ込められた傑作の数々が演奏されます。

     河村さんの演奏は、ハンマーが弦を叩くというピアノの発音原理を忘れさせるほど、優しく、やわらかな響きを持っています。今回のプロジェクトでも、その響きは美しい余韻をともなってホールを満たし、ショパンが夢みた「歌」の世界へと私たちを連れて行ってくれることでしょう。

    (水戸芸術館音楽部門主任学芸員・関根哲也)
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