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    ステージマネージャーの宮崎隆男さんがご勇退されます。

    長年にわたり、水戸室内管弦楽団(MCO)のステージマネージャーを務めてこられた宮崎隆男さんが、このたびご勇退されることとなりました。

    オーケストラにおけるステージマネージャーというのは、ひとことで言えばバックステージの取りまとめ役です。舞台の設営にはじまり、リハーサル及び演奏会の進行、楽屋の管理など、オーケストラの裏方の仕事のあらゆる面を統括します。宮崎さんは、日本におけるステージマネージャーの草分けであり、現在国内で活躍するステージマネージャーの多くの方が宮崎さんのもとで修行を積んでいます

    宮崎隆男さんは、1927年、東京生まれ。51年近衛秀麿氏のオーケストラ設立に伴いステージマネージャーとなり、近衛管弦楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団のステージマネージャーを務め、86年サントリーホール初代ステージマネージャーに就任。91年サントリーホール退職後に、水戸室内管弦楽団ステージマネージャー、紀尾井ホール・ステージアドヴァイザーに就任。91年新日鉄音楽賞特別賞、2001年第7回ニッセイ・バックステージ賞をそれぞれ受賞されています。

    水戸の舞台裏では、演奏会に臨むMCOメンバーの緊張を和らげるムード・メーカーでもあり、舞台上では、背筋の伸びた流麗な所作で、扇形の美しいオーケストラの配置を短時間に作ってしまう――そうしたMCOの演奏会での宮崎さんのお姿が、これからは見られなくなってしまうのは、この上なく寂しい限りです。宮崎さんのこれまでのご尽力に、楽団関係者一同、心より感謝すると共に、御礼申し上げます。

    以下、宮崎さんからのメッセージをご紹介いたします。
    サントリーホールを65歳で定年になった時に、小口達夫さん(MCO楽団顧問)にお声をかけていただいたのがきっかけで、水戸室内管弦楽団に関わるようになりました。その後、いつの間にかレギュラーとなり、気がつけば19年が経っていました。一年間あたり約28日間、水戸に滞在してきました。今や水戸は第二の故郷とも言える場所です。19年も通ったのに、水戸の駅と飲み屋とホテルとホールにしか行ってはいないけどね(笑)。

    水戸室内管弦楽団のメンバーは凄い人たちばかりで、お客さんもとても温かくて、水戸での演奏会の仕事は本当に好きでした。小澤征爾さんも、音楽ばかりか、お人柄も本当に素晴らしく気さくな方なので、オーケストラのメンバーともとても和気あいあいとしていますよね。そのように指揮者と演奏家が打ち解けた関係のオーケストラというのは、水戸以外には世界中どこにもありませんよ。

    思い出に残る演奏会としては、1996年6月の若杉弘さん指揮の公演(第26回定期演奏会)があります。シュトラウスの〈町人貴族〉と〈ナクソス島のアリアドネ〉というプログラムで、ステージの後方に1間(約1.8m)の高さのステージを組んで、そこに歌手の方に上ってもらいました。吉田秀和館長もとても喜んでくださったのが記憶に残っています。ハイドンの〈告別〉(交響曲 第45番)も印象深かったですね(1998年の第34回定期演奏会・指揮者無し)。この曲では演奏者が蝋燭を消して次々と退席していくという趣向を実現するために、蝋燭型の電灯を用意しました。演奏家に「フーッ」と蝋燭の火を消す演技をしてもらい、それに合わせて照明室に入ったスタッフがそれぞれの電灯を消す操作をしました。そして、何といっても忘れられないのは最初のヨーロッパ・ツアー中のフィレンツェ公演(1998年)ですね。たいへんな大雨のおかげで舞台裏では雨漏りするし、演奏中に何度も停電してしまうし、本当に肝を潰しました(笑)。

    これからは、佐藤昌樹さん(編注:宮崎さんの一番弟子とも言える方です。)が後釜として、しっかりやってくれると思います。まさか、84歳になるまでステージマネージャーの仕事ができるなんて思ってもいませんでした。世界中どこを探したって、こんな年齢のステージマネージャーなどいないと思いますよ(笑)。それが出来たのも、水戸の皆さんのおかげです。心より御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

    2011年12月18日
    宮崎隆男
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